ディズニーで久々に人間がメインのアニメ映画
&久々に童話が題材の映画。
「ラプンツェル」という作品は、元々子供の頃から好きなグリム作品のひとつで
それがディズニーで映像になる(しかも3D)ときいて、去年から注目していました。
一方、若干の心配もありつつ。。
最近のディズニー映画は動物が主人公とか車を擬人化してたりとかよくわからないし
ラプンツェルって話は最後の最後に救いがあるものの90%ブラックで子供向けじゃないし
年末に観た特報トレイラーは長い髪が自在に動いてるように見えてちょっと妙だったし。。
アレをどうやってファンタジーに仕立てるのか?という好奇心と
主役ラプンツェルの吹替がしょこたん(中川翔子さん)という安心感から成り立っていて
実際観た感想はというと、充分に楽しめる映画でした。
そして、休日(先週の日曜)に行ったからか小さい子供連れが多かったのですが
子供達が皆楽しそうでした。
そのかわり上映中ちょっと騒がしかったけど。
基本子供のための映画だから大人が文句言ってはいけないと思う。
ちょっと細かいところを突っついていいならば
夢あるファンタジーに仕立てた代償で、グリムっぽくなくなってしまいました。
グリムが原作なのに雰囲気がアンデルセンっぽいという....(笑)
まずキャラクターの基本設定が大幅に変わっていて、
ラプンツェルは赤ちゃんの頃お城から攫われたお姫様ということになっています。
そうしないと夢が膨らまないから変えたんだろうけど
この設定では彼女が「ラプンツェル」である意味がなくなってしまう。
そしてもうひとつ、彼女は魔法の花の力を体内に宿して産まれて
その為に攫われることになったという「特別」を持っています。
魔法が使えて、実はお姫様で、
でもキャラクター描写は徹底的に普通の女の子として描かれている。
素直で世間知らずで、絵を描くことが好きなちょっと内向的な性格。
身を守る武器がフライパンだったり(笑)
このギャップが魅力的なんでしょうけどねえ。
本来の「ラプンツェル」は、意に反して外界から遮断されて生きなければならなかった
普通の女の子が、新しい世界を知って鳥かごから出て
一人たくましく女になっていく話なのです。
最後は王子様と幸せになるハッピーエンドではあるものの
王子様と生き別れてる数年間はシングルマザーなのだし。
「塔の上のラプンツェル」だと、ラプンツェルの方がお姫様で
塔に迷い込んで来るのは指名手配中の不良(実はピュアな性格)、
グリムの毒がどこにもない(笑)
ファンタジーとしては良くできた作品だと思います。
ただグリム童話を念頭において観ると、ちょっと消化不良でした。
童話を土台にしてうまく「売れるディズニー映画」を作ったなーという感じ。
50作目の記念作品だそうだし、初の「3Dで描くプリンセスストーリー」という
キャッチコピーがついてるくらいだから
純粋にディズニーのファンタジーとして楽しむ作品なのでしょう。
因みに3D映画としての出来はというと
精巧なフィギュアが意思を持って動き回ってるみたいでした。
おもちゃのチャチャチャが本当にあったらこんな感じ?
まあ、面白かったから、それでいいのです(笑)